乗客の大半は宇都宮から
半数以上が終点まで下車せず
その後、午前7時台のピークと考えられる36分発(B5)に乗車し、終点まで利用と運行状況を調査した。清陵高校前停留場に午前7時58分、清原工業団地のある清原地区市民センター前停留場に午前8時1分、終点の芳賀・高根沢工業団地停留場に午前8時24分に到着するこの電車は、通勤・通学需要が大きいようで150人近くが乗車していた。
車内で注目したのは「乗降者数」「ICカード利用率」「遅延時分」だ。印象的だったのはいくつかの停留場を除き人の動きがほとんど見られなかったことだ。宇都宮以外から乗る人はほとんどおらず、多くの停留場では下車する人も数人だった。
下車が多かったのは清陵高校前、清原地区市民センター前、かしの森公園前、芳賀・高根沢工業団地の4停留場で、特に最後2つの停留場が多い。かしの森公園前は20~30人、芳賀・高根沢工業団地では60人程度が下車した。利用者の半数以上が終点まで乗り通す通勤路線は非常に珍しい。
なお需要予測(ピーク1時間平均)では、宇都宮駅東口停留場発車時点で約125人、清陵高校前停留場までに、乗り換え拠点である宇都宮大学陽東キャンパス停留場からの約40人を含む約60人が乗車し、ピークは188人となる。
ここから下車が増え、宇都宮清陵高校、作新学院大学のある清陵高校前停留場で約12人、清原工業団地のある清原地区市民センター前、グリーンスタジアム前両停留場で計70人、芳賀工業団地のある芳賀台、芳賀町工業団地管理センター前両停留場で計25人、芳賀・高根沢工業団地のあるかしの森公園前、芳賀・高根沢工業団地両停留場で計100人が下りる計算だ(途中の乗車があるため合計値は188人にはならない)。
芳賀・高根沢工業団地の利用は想定に近いが、清原工業団地、芳賀工業団地はまだ追いついていない。これは各工業団地に立地する企業ごとにLRTへの転換率が異なるからだろう。逆に言えば、現在の定期利用は、清陵高校のバス通学と芳賀・高根沢工業団地の本田技研工業(ホンダ)の企業バスが転移した結果といえる。