電気代・ガス代・燃料費について、総世帯の年間収入
上位20%と下位20%の支出額を比較した倍率
日本経済はコロナ禍からの回復が進むものの、家計の消費活動は停滞感の強い状況が続いている。4~6月期のGDP(国内総生産)の1次速報によると、実質個人消費は前期比年率▲0.5%と、2四半期ぶりに減少した。水準で見ると、依然としてコロナ前(2019年平均)を1.6%下回っている。
個人消費の回復の遅れには、物価上昇に伴う家計の購買力の低下が影響している。今年の春闘は、30年ぶりとなる高い賃上げ率で妥結した。もっとも、足元の賃金の上昇は物価の伸びに追い付いておらず、実質所得は減少が続いている。名目ベースの消費額はコロナ前を4.6%上回っており、物価が大幅に上昇する中、家計が購入数量や購入品目を絞るなどの形で実質ベースの消費を抑制している姿が見て取れる。