工作員への指令に
ユーチューブを使用

 北朝鮮のスパイは、皆さんの想像以上に“優秀”で、静かに行動する。

 北朝鮮は日本をスパイ活動の重要拠点ととらえ、日本や韓国、在日米軍に関する情報の収集、さらに、日本人の拉致など数多くの工作活動を行ってきた。

 警察が過去に摘発した北朝鮮工作員事件では、工作員らが自衛隊や在日米軍の情報を収集し、北朝鮮本国に報告していたことが判明している。

 日本で活動している工作員の正確な人数は不明であるが、貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」で日本と北朝鮮の往来が可能であった時期には、数百人程度いたといわれている。一方で、工作員に対し、直接または間接的に支援・協力する団体や個人(「土台人」という)も含めるとなると、その数は膨れ上がる。

 北朝鮮はかつて日本にいる工作員にラジオの乱数放送を用いて、指示を送っていた。

 例えば、「21、376、1、…」といった具合で数字が読み上げられる。その数字自体が暗号化された“指示”であり、それを聞いた工作員は乱数表を用いて解読し、指示を実行するのだ。

 最近では、聯合ニュースが、北朝鮮が動画投稿サイト「ユーチューブ」を用いて、韓国などに潜伏する工作員への指令と推定される「乱数放送」を行ったと報じている。

 平壌放送のユーチューブチャンネルに、「0100011001-001」と題した動画が投稿され、アナウンサーが「今から710号探査隊員のための遠隔教育大学情報技術基礎復習課題をお伝えします」とし、「564ページ23番、479ページマイナス19番、694ページ20番」などと読み上げたという。

 また、過去には「スリーパーセル」という隠れた工作員/テロリストが存在するという報道があった。

 彼らは一般市民を装い日本で通常の生活を送っているが、その正体は工作員であり、有事になると総書記の指令により活動を開始し、偽情報の流布や武器を用いて破壊工作を実行するという。

 スリーパーセルは本当に存在するのか。