SNSで大人気のPoche(ポッシュ)さんは、人間関係、親子問題、アダルトチルドレン(AC)専門のカウンセラーです。そんなPocheさんのもとには日々、さまざまな人たちからの切実な悩める声が寄せられています。
ここではそんなPocheさんの最新刊『悪いのは、あなたじゃない』から再構成してお届けします。
本書では実際のカウンセリング事例の数々をもとに、実は意外なところに存在していた悩みの原因をつきとめ、解決へと導いていくプロセスを紹介しています。
他の人にはなかなか理解してもらえなかったり、相談しにくい悩みを抱えて、すべては自分のせい、自分を責めるしかない、と思い込んできた人に、自分を苦しめてきた本当の原因を理解して、今より少しラクに生きられるようになるヒントを紹介します。
人と話す時、相手を喜ばせなきゃ、
と思ってしまう…
人と話すことを心から楽しめる人もいれば、人と話すことで疲れてしまう人もいます。
どちらが良い悪いということはありません。楽しめるかどうかの差というのは、人と話す時に自分が何を気にして、何を心がけているかの差です。
人と話すことを心から楽しめる人は、相手よりも自分に関心が向いています。
このタイプの人が気にしているのは相手ではなく、自分自身なのです。だからこそ、自分が何を言いたいのかを最優先事項として実行し、話すことそのものを楽しみます。
極端なことを言うと、相手がつまらなそうだとしても自分が気分よく話せれば、「ああ、楽しかった」と思えます。
でも、人と話すことで疲れてしまう人の場合は、違います。
人からどう見られるのかを気にする人の場合、一番の関心は相手の反応に向きます。
これを言ったらどう思われるだろうか、変だと思われないだろうかなどと、相手の反応を予想しながら話します。
自分が話す内容、さらには話した事柄に相手がどう反応するのかを瞬時にシミュレーションするため、思考はフル回転。
「ああ言えばよかった」「こんなふうに勘違いされたかも」など、ひとりでもんもんと考えてしまうタイプの場合は、頭が休まりません。
寝ている間も無意識に考え続けてしまうことが多く、朝起きた時からしんどいと訴える人は珍しくありません。
そのほか「自分なんかと話していてもつまらないのではないか」という不安、さらには「自分は人を不快にさせる」という強い思い込みを抱えている場合、一番の関心は相手を不快にさせないことに向きます。
何を言えば相手を怒らせないか、何を言えば空気が悪くならないかなど、余計な一言を言わないように気を使います。
自分が楽しいかどうかは重要ではなく、相手を不快にさせないことが最優先事項。
表情や仕草から相手が不快になっていないかどうかを読み取ろうとするため、雑談するだけでも疲れてしまいます。
誰かが笑顔だとホッとしたり、誰かを楽しませることに喜びを感じるタイプの場合、一番の関心は相手を喜ばせることに向きます。
だから、もし仮に自分が気分よく話せたとしても、相手がつまらなそうだと分かると、「ああ、楽しかった」とは思えません。
それどころか、「自分ばかり話しすぎてしまったかな」と反省したり、「あの言い方は良くなかったかな」と自分を責めたり、「相手は嫌な気持ちになったのでは」と不安になったりします。
自分が楽しむことよりも相手が楽しそうであることを重視するからです。
自分が楽しくても相手がつまらなそうならそれは、このタイプの人にとっては失敗であり、ダメなことだと感じます。
1つ、実際にあった相談事例をご紹介します。