国の税収は3年連続で過去最高!
本来ならば、増税は不要

 基本的に税の話は私の専門外なのですが、この話、別の観点で私の専門領域に入る話です。それは、トップの意思決定論です。

 大企業でも大きな経済団体でも、正しい議論をしているうちに誰も得をしない意思決定をしてしまうことがあります。今回の消費税のニュースを題材に、なぜトップはそのような意思決定を行うのか、考えてみたいと思います。

 まず、国の税収は3年連続で過去最高になっています。令和4年度の国の税収は71兆円台と初めて70兆円を超えました。

 背景としては世界的な景気回復を背景に法人税収が伸びたことと、アフターコロナの消費回復で消費税収が増加したことが挙げられます。昨今国民が苦しんでいる物価上昇も、実は消費税収の増加に寄与しています。税抜き1000円の商品が1200円に値上がりすれば、消費税収も100円から120円に増えるからです。

 本来なら増税など必要ない状況のはずですが、このような状況は間違いを引き起こします。