日本政府はなんとしても
「防衛力強化」「少子化対策」を実行したい

 ここも細部を省略すれば、大きな政治的な志からなんとしてもやらなければならない政策が二つ出現します。一つが防衛力増強で、もう一つが異次元の少子化対策です。

 日本という国がなくなってしまったら日本にとっては困るわけで、国防も大切ですし、このままいくと1300年後に日本の人口がゼロになるのも大問題です。そこで防衛費と少子化対策をそれぞれ大幅に積み増そうと考えたわけです。

 案としては、防衛費は5年間で約17兆円増えるのですが、そのうち14兆6000億円は財源が決まっていて、残り2.5兆円をどうしようかという話が課題になっています。

 少子化対策も当面3.5兆円積み増して、10年後には倍増させる計画です。

 どちらも恒久的にお金がかかる話で、かつ、毎年数兆円レベルでお金が出ていく話をしているので、当然、財源を確保する必要があります。

 ここでも少し話をはしょらせていただくと、防衛費は増やさなければいけないので、残る少子化対策の財源をどうするかが、今課題になっているわけです。

 その解決策ですが、候補が三つ挙がっています。

(1)法人税増税で賄う
(2)社会保険料を値上げして賄う
(3)消費税増税で賄う

 です。

 さて、ここからが本題です。政府がそのような意思決定議論をしているため、ここは財界のトップ(≒経団連)も何か意見を言わなければならないと考えます。組織のトップはそれぞれ、自らの利害関係に関する部分については主張すべきだからです。