また、皇室関係の経費は、誰がいつ結婚するかとか、誰がいくつまで健在でおられるかとかあらかじめ計算などできない。費用節減のために時期を調整できるものではない。また、予想してコストをはじいているだろうが、発表はできない。

 悠仁さまの結婚後のお住まいについても、いつ結婚されるか、その時点で高齢の皇族の誰がご存命かなどで変わる。

 また、結婚後の悠仁さまは、形式的には皇位継承第2位だが、皇嗣殿下が比較的高齢になってからの子で年齢差が大きいので、悠仁さまは、かつて浩宮さま(今上陛下)が同年齢だったときと比べて、皇位継承までの時間はかなり短いことが予想され、皇太子に近い立場になられるのだから、皇室外交で大きな役割を果たされるはずで、待遇やお住まいは難問となるだろう。

都心の皇室施設は
地方にも分散すべき

 とはいえ、情報公開の時代だから、皇室もコストについても他のことと同様にオープンにして、国民の意見を求めるべきだし、世界の王室と同じように、陛下であろうがほかの皇族であろうが、批判もよく聞いて、説明するべきことはすべきだ。

 皇室については、無駄だと思うことも結構多い。そもそも首都中心部の巨大な要塞に住んでいる帝王などほかにいないし、皇室の伝統にも反する。皇族が全員、東京の都心に集まって住んでいるのも、セキュリティ上も危険この上ない。

 皇室施設は一般公開していないものが多く一般国民にとって残念だったが、安倍内閣の時に菅義偉官房長官主導で皇居、京都御所や離宮などが一般公開されるようになったことは良かった。ただ、やはり、都心の施設は縮小して、京都のほか、地方や郊外に分散した方が世界の常識にも適うし、いろんな意味で合理的だ。

(評論家 八幡和郎)