「若者と何を話せばいいのか分からない」「話しているうちに、つい説教になってしまう」「若い子に合わせようとはやりの話題を振っても、反応がイマイチ…」読者の中に、職場の若手と話が合わないことにお悩みの方はいないだろうか。おじさん世代としては雑談などを通して彼らと適切なコミュニケーションを図り、良好な関係を築きたいところだ。しかし、仕事の話ならばともかく、自分よりはるかに若い世代と楽しく雑談をするというのは意外に難易度が高い。悩めるおじさん世代へ、NGな雑談の実例と、若者との雑談力をアップさせるコツを伝授する。(アステル 岩瀬めぐみ)
コロナ禍、テレワークの普及の結果
「雑談」の効力が見直されている
「そもそも、仕事の場で頑張って雑談をする必要があるのか?」という意見もあるだろう。ところがここ数年、テレワークという働き方が普及して雑談の機会が減ったことで、皮肉にも職場における雑談の効力があらためて見直されている。
2022年にプラス株式会社ファニチャーカンパニーが実施した「職場の居心地WEB調査」では、働きやすい職場づくりのために、一般社員の83%、部長職以上の役職に就く人の93%がオフィスでの「雑談」は必要(どちらかというと必要を含む)だと答えている。
また、2021年に日本能率協会(JMA)が行った「ビジネスパーソン1000人調査」【雑談機会と効果】でも、79.5%の人が「雑談」があることは自身にとってプラス(ややプラスを含む)だと感じていると答えたのだ。さらにこの調査では、約6割の人が「『雑談』は業務の生産性を高める」「『雑談』は業務の創造性を高める」、7割以上の人が「『雑談』は職場の人間関係を深める」としている(すべて、ややそう思うを含む)。
実際に、雑談によってコミュニケーションを取り職場の人間関係を良好に保っておくことによる恩恵は少なくない。まず、職場の雰囲気が良くなり、気軽に質問をしたり助け合ったりする関係が築きやすくなる。また、何気ない雑談から、業務上の困り事や若手の抱えている悩みなどトラブルになり得る種を早期に把握できたり、業務に関するアイデアやヒントが得られたりすることもあるだろう。
従来は「余計なもの」「業務の効率を落とすもの」と認識されがちだった雑談だが、実は職場を円滑に回し、生産性や創造性やチームの団結力を高める役割を果たしていたのだ。