雑談力アップのコツその3
雑談はあくまで雑談と心得る

 雑談の中で、若者から失敗談や困り事を聞かされることがある。また、雑談が盛り上がって意見交換会やディベートのようになることもあるだろう。流れでアドバイスや意見を求められることもあるが、ここで前のめりに意見を述べるのは失敗のもとだ。相手が雑談のネタとして話をしているのか、本当にアドバイスを求めているのかを慎重に見極めたい。

 本当にアドバイスを求められているのであれば、「悩んでいるようなら、時間を取ろうか」と別途場を設けることにして、雑談はあくまで雑談の範囲に収めることが重要だ。それを踏まえて、以下のことを意識しておこう。

・雑談にアドバイスはNG、説教は厳禁
・議論や言い合いにしない、結論を求めない
・プライベートに踏み込みすぎない(が、必要に応じて後日フォローをする)

 相手が本当に求めているのであればアドバイスはまだしも、説教は厳禁だ。息抜き、コミュニケーション、簡単な情報交換など雑談に求められる役割はいくつかあるが、息抜きや職場の人との交流をしようとして説教をされてしまったら、若者の警戒レベルは上がり、心の壁は高くなってしまう。

 また、雑談を議論や言い合いに発展させないよう、うまくコントロールしたい。万が一議論になってしまったときは、結論や勝ち負けを付けずにソフトランディングさせよう。雑談はあくまで雑談、プライベートに踏み込みすぎるのもNGだ。ただ、相手がそうした話題を積極的に出してきた場合は、気にかけているという意思表示を兼ねて、後日、必要に応じたフォローをするといいだろう。

 若者との雑談力をアップさせるコツをいろいろと紹介してきたが、総じていえるのは「上から目線でもなく、変にすり寄るのでもなく、相手を尊重する」ということだ。

 おじさん世代が雑談力をアップさせて若者と良いコミュニケーションを育むことは、職場の雰囲気の円滑化や若者の離職を防ぐ一助にもなる。コツをしっかり身につけて雑談力を磨き、良い雑談をしよう。