人間関係によるストレスが
発生しやすい職場
五月病とは、5月の連休後に体調不調が起きたり、気分が落ち込んだり、不眠や食欲不振などの症状が現れたりして、仕事や授業に集中できない状態に陥ることを指す。
4月の新年度を経て、多くの人間が新しい環境にさらされる。新入社員ならば学生から社会人となり、人事異動ならば新しい職場や任務に就く。それまでの生活が大きく変わった人も多いだろう。
それまで当たり前だったことがそうでなくなるとき、人は強いストレスを感じるという。自分自身に変化はなくても、上司、同僚、部下など周囲の人間が変わり、自分と価値観や考え方が合わなければ影響を受ける。配属ガチャ、上司ガチャが強い銀行ならなおさらだ。
銀行は4月に大規模な異動があるものの、小規模な異動はほぼ毎月のようにある。絶えず身の回りで人が動いている職場であり、人間関係を起因とするストレスが発生しやすい職場だと考えられる。
人間関係だけではない。新しい職場では、常に確認すべき書類の保管場所はどこにあるのか、金庫の開閉は誰が何時に行うのか、午後3時の閉店から怒涛(どとう)のように始まる「勘定突合(かんじょうとつごう:預かった現金と支払った現金をデータ上の記録と一致させる作業)」の流れに違いはあるのか…あらゆることが分からない。昨日までの勝手知ったる職場のように動けないもどかしさから、ストレスが募っていく。
「分からないことがあったら、なんでも聞いてくださいね」
笑顔でそう言われても、新任地では人間関係が築けていない。どこまで頼って聞いていいのか分からない。もどかしい。やはり、ストレス以外の何ものでもない。