阪神優勝セールに沸く阪神百貨店、同じグループなのに阪急うめだが「セールなし」のワケ阪神百貨店では、優勝記念商品が多数売り出された。写真は淡路屋の弁当「アレ入りひっぱりだこ飯」 Photo by W.M.

「オモロい阪神・シュッとした阪急」
売り上げ伸長に期待大

 現在の梅田阪急・梅田阪神は、システムの共通化やカード・ポイント共通化など、徐々に足並みをそろえつつある。両店とも直近で建て替えや高層化を済ませ、大規模な投資は一段落したところだ。

 資本面では、アクティビスト(物言う株主)対策もあってか、エイチ・ツー・オー・リテイリングは鉄道会社や信託銀行、グループ会社、従業員持ち株会などに株を分散した上で、多数派を確保している。

 直近(23年8月度)の営業概況を見ると、梅田阪神は売上高前年比133.5%、梅田阪急も同125.9%と好調だ。梅田阪神は優勝セールで9月はさらに伸長が見込めるだろう。

 優勝セールでも、「盛り上げ屋さん」としてのノウハウを全力で発揮した梅田阪神。タイガース景気に頼らずともしっかり業績を上げる梅田阪急。関西風にざっくりと言えば、「オモロい阪神、シュッとした阪急」といったところか。

 9月20日には、オリックス・バファローズがパシフィック・リーグ優勝を決めた。オリックス球団と統合した大阪近鉄バファローズの縁から、近鉄百貨店でも優勝セールに沸いている。59年ぶりにセ・パ両リーグで関西拠点の球団が優勝し、日本シリーズで対戦する可能性が高まっている。関西の個人消費が上向くことにも期待したい。