阪神電車Photo:PIXTA

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行したことで、コロナ禍によって大打撃を受けた業界・企業の業績の完全復活に対する期待が高まってきた。上場49社、15業界における月次の業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「【月次版】業界天気図」。今回は、2023年6月度の鉄道(関西の私鉄)編だ。

関西の私鉄運賃も値上げ!その影響は?

 鉄道(関西の私鉄)の主要5社が発表した2023年6月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯阪急電鉄(阪急阪神ホールディングス〈HD〉)の運輸収入
 6月度:前年同月比107.2%(7.2%増)

◯阪神電気鉄道(阪急阪神HD)の運輸収入
 6月度:同110.9%(10.9%増)

◯近畿日本鉄道(近鉄グループホールディングス〈HD〉)の運輸収入
 6月度:同117.9%(17.9%増)

◯京阪電気鉄道(京阪ホールディングス〈HD〉)の運輸収入
 6月度:同108.4%(8.4%増)

◯南海電気鉄道の運輸収入
 6月度:同116.3%(16.3%増)

 5社とも前年実績を上回った。特に、近鉄と南海は15%以上、増収している。

 ただ、鉄道は新型コロナウイルス禍で、大きな打撃を受けた業界の一つだ。コロナ禍で業績が大幅に悪化し、そこからの反動増による「見せかけの好業績」の可能性もある。

 そこで、時系列で数字の推移を詳しく見ながら、コロナ前の水準と比較した「真の回復度」を確認していこう。5社のうちコロナ前の水準まで回復している会社はどれくらいあるだろうか?

 実は、コロナ前を上回った会社は1社もなかった。回復度90%を超える会社が3社あった一方、残る2社は80%台にとどまった。さらに、回復度トップと最下位で11.9ポイントもの差がついたことが明らかに。回復度トップと最下位は、それぞれどこだろうか? 当ててみてほしい。

 また、鉄道各社は今春、運賃の値上げに踏み切っている。次ページで、各社の回復度と値上げの関係性を分析していこう。