『どうする家康』の世界にタイムスリップできる、岡崎城と食べ歩きの旅大人気の「徳川家康公パフェ」は、ほろ苦い抹茶の味。家康の人生を表現  Photo by Masahiro Sugiyama

徳川家康の生誕の地であり、家康と共に260年余にわたる太平の世を築き上げた“三河武士”のふるさとでもある、岡崎。今年1月にNHK大河ドラマ『どうする家康』の放送が始まってからはさらに注目を集め、連日多くの観光客で賑わっています。市内に点在する家康ゆかりのスポットの中でも、今年1月に天守内が全面リニューアルされた「岡崎城」や、同じく1月に誕生した「どうする家康 岡崎 大河ドラマ館」の楽しみ方を紹介。家康も愛した地元の味噌を使った料理や、武将をモチーフにしたパフェなどの食べ歩きスポットも巡ります。(取材・文/フリーライター&エディター 杉山正博)

19〜29歳、試練を乗り越え
経験値を高めた「岡崎時代」

  今も岡崎の街の中心にある岡崎城は、約10ヘクタールの敷地全体が「岡崎公園」として整備されています。園内を巡ると、家康が誕生した際に産湯として使われた井戸や、へその緒を埋めた塚などが残り、家康を身近に感じられます。

『どうする家康』の世界にタイムスリップできる、岡崎城と食べ歩きの旅家康が生まれた時に使用された、東照公産湯の井戸 写真提供:岡崎市

 家康が岡崎で生まれたのは、1542年12月のこと。その後、織田家や今川家の人質として他国で過ごしましたが、今川義元が桶狭間の戦いで敗れたのを機に、19歳で岡崎に戻り独立。それ以来、29歳で浜松城に移るまで、実力を蓄える青年期の重要な10年間を、ここ岡崎で過ごしました。

 岡崎城の天守を含む城郭の大半は、明治時代に入った1873から74年にかけて取り壊されてしまいましたが、「岡崎の象徴である天守がないままではしのびない」という市民の強い思いにより、1959年に往時の姿に再建されました。

『どうする家康』の世界にタイムスリップできる、岡崎城と食べ歩きの旅1959年に復興された天守。「日本100名城」にも選定されている。11月下旬から紅葉が見頃に 写真提供:岡崎市

 3層5階からなる天守の内部は、2023年1月に全面改装を行い、展示内容を一新。天守台石垣に囲まれた1階から2階へ上がると、中央には岡崎城の大きな城郭模型が鎮座しています。その周囲には、中世から家康の時代、江戸時代にかけての岡崎城の変遷や歴史、城郭の特徴などが学べるパネルがあり、金箔が施された三つ葉葵紋瓦など、発掘調査による出土品も展示されています。

『どうする家康』の世界にタイムスリップできる、岡崎城と食べ歩きの旅岡崎城を知る人の記憶や資料をもとに作成された「岡崎城の城郭模型(内郭)」 Photo by Masahiro Sugiyama
『どうする家康』の世界にタイムスリップできる、岡崎城と食べ歩きの旅岡崎城から出土した金箔が施された三つ葉葵紋瓦(写真右はし) Photo by M.S.