テルモの再生医療製品、本承認へ正念場…開発中止「三菱スペースジェット」と重なる理由Photo:PIXTA
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

 折からの季節の変わり目とはもちろん関係はないが、テルモにとってまた、喉に刺さった小骨が疼く時期となってきた。大阪大学の澤芳樹名誉教授が開発し、技術移転を受けたテルモが治験の後、条件及び期限付承認制度に基づいて16年に発売したヒト(自己)骨格筋由来細胞シート「ハートシート」の本承認申請の期限が、いよいよ間近に迫ってきたからだ。

 ハートシートは重症心不全の治療を目的に、これまでに阪大医学部を中心に、全国11の施設で使用された。当初は仮承認から5年以内に本承認を申請する計画であったが、症例数が思ったように集まらず、18年に“仮免期間”が3年間延長された経緯がある。ただし、漏れ伝わるところによると、厚生労働省による異例の恩情も残念ながら大きなプラスには働かなかったようで、有効性についても、ネガティブな見解を覆す方向とはなっていないと仄聞する。

 仮に、本承認を申請して認められなかった場合、ハートシートのみならず、テルモという会社のブランド価値や、世界に先駆けて日本が導入した条件及び期限付承認制度を「推し」た厚労省の見識にも、大きな向かい風が吹くことになるだろう。