アフィリエイトも対象になるので注意
「ステマ規制」を理解し、問題にならない表示を心がけよう

 ここまでは、広告主に当たる人に依頼された場合について説明してきた。しかし、お小遣い稼ぎのためにSNSにアフィリエイトリンクを投稿している人もいるだろう。

 アフィリエイトとは、商品やサービスの広告をサイトやSNSなどに掲載し、購買や会員登録などに結び付いた場合に報酬を得られる仕組みだ。Amazonや楽天などのECサイトが提供するアフィリエイトプログラムのほか、アフィリエイトを提供するASP、広告主や代理店からの依頼で行われる。

 アフィリエイトのためにWebサイトを開設し、本気で稼いでいる人もいるが、一般的にはECサイトでアフィリエイトリンクを生成して、SNSやブログなどに投稿する程度だろう。その場合もアフィリエイト広告だと分かるように明示する。もし、事業者に依頼された場合は、「広告」などのキーワードや文章で関係性を記載しておけば、規制の対象にはならない。不明瞭にすると事業者からの評価が下がり、依頼が来なくなる可能性があるので注意したい。

 消費者としては、ステマにだまされたくない気持ちもある。しかし、山本氏は「私でも完全に見抜くのは難しい」と語る。

「巧妙に行われてしまうと、グレーだなとは思っても、明確な証拠がなければステマだとは言えません。だからこそ、ステマ規制が必要になったということです。雑誌などに広告を出せないスモールビジネスの事業者はインフルエンサーマーケティングを行うことが多いですが、方法を間違えると相当なレピュテーションリスク(企業価値や信用低下を招くリスク)を追うことになります。本当に気を付けてほしいと思います」(山本氏)

「ステマ規制」は、宣伝したい事業者だけでなく、消費者である“普通”の人も意識していく必要がある。特に事業者は、消費者庁が公開している「事例で分かるステルスマーケティング告示ガイドブック」を参照されたい。さらに詳しく知りたい場合は、消費者庁の「景品表示法に関する御相談」に参考リンクや相談先の電話番号が記載されている。少しでも疑問を抱く点があったら、確認しておくと安心だ。また、WOMJでも、ステマにならないクチコミを行うためのガイドラインを公開している。かなり細かいFAQも載っているので、詳しく知りたい人はここを確認することをお勧めする。

 次回は、Webメディアや雑誌・新聞など商用媒体で記事や広告を作成する場合、ステマ規制がどのように関わってくるかについて解説する。