70歳からお金より筋肉を貯める!医師が力説「“貯筋”が人生の充実度を決める」もちろん貯金も必要だが、貯筋がないことには自由に動くことができない。せっかくのお金を楽しいことに使えない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

72歳の現役アナウンサーである生島ヒロシさんと75歳の現役医師で作家の鎌田實さん。70歳を超えてパワフルに活躍されるお二人は「70歳からは貯“金”ではなく貯“筋”する習慣が大切」と言います。そこで今回はお二人の新刊『70歳からの「貯筋」習慣』(青春出版社刊)から貯筋することにおいて重要な「たん活」について抜粋して紹介します。

日本の高齢者は圧倒的な「貯筋」不足!
毎食しっかり「たん活」を

鎌田 少し前に「老後2000万円問題」が話題になり、老後への蓄え─貯金─に、にわかに関心が高まりました。

 でも、「貯筋」についても、もっと真剣に考えてほしい。貯筋が乏しいがために「サルコペニア」に陥っている高齢者が多いのですから。

 サルコペニアとは、筋肉量が減ったために身体機能が低下した状態を指します。「筋肉」と「減少」を意味するギリシャ語を組み合わせた造語で、比較的、新しい概念です。

 東京都健康長寿医療センター研究所は、75~79歳では男女ともに約2割が、80歳以上では男性は約3割、女性は約半数が「サルコペニアに該当する」との調査結果を発表しました。

 高齢者がサルコペニアの状態になると、要介護化、そして死亡のリスクが約2倍も高くなるといわれているのですから、なんとしても避けたいところです。

 サルコペニアとひと続きになっているのが「ロコモティブシンドローム」と「フレイル」です。

 貯筋が減るとサルコペニアが始まり、運動機能が低下するロコモティブシンドロームに突入すると転倒・骨折のリスクが上昇し、フレイルに至るともはや介護一歩手前。サルコペニアからフレイル、介護までの一連の流れのトリガー(きっかけ)となるのが「貯筋不足」なのです。

好きな時に好きな場所へ行く。そのためには
70歳を過ぎたら「貯金」より「貯筋」です。

鎌田 自分の足で歩ける。身のまわりを整えるために自分で動ける。好きなときに好きな場所に行ける。全て「筋肉」があるからこそできるのです。「気持ち」と「行動範囲」が広がるのは「筋力=貯筋」のおかげ。

 もちろん貯金も必要だけど、貯筋がないことには自由に動くことができません。せっかくのお金を楽しいことに使えないのです。もったいないでしょ?

 貯筋が70歳からの人生の充実度を決めるのですから、原資となるたんぱく質を十分に摂ること。「たんぱく質いっぱいの生活=たん活」を意識しましょう。

 体重1キログラムあたり1グラム以上のたんぱく質を摂ることが理想とされていますが、これだと今ある筋肉をキープするので精一杯。貯筋をするなら、体重1キログラムあたり1.2グラムが目標です。

 そして、たん活でせっせと摂ったたんぱく質を立派な筋肉に育てるには「運動」という刺激が必須。野球少年から空手青年、そしてイクシマッチョへと進化した友人の生島ヒロシさんのように「運動」に親しんでいない人でも、安全・簡単にできる「運動」でいいのです。

 それでは生島さんにどんな「たん活」や「運動」をしているか聞いてみましょう!

野菜よりたんぱく質ファースト、
食べる順番でお手軽「たん活」

生島 ふむふむ、老後の生活を支える「貯筋」のためには、筋肉をつくるたんぱく質をたっぷり摂る「たん活」と、たんぱく質を筋肉にするための「運動」が大事ということですね。

 運動大好き、ジム通いを適度に楽しんでいる僕は、好きなことをしながら「貯筋」もできていたのか!

 子どものときから体を動かすことが大好きだった僕は、トレーニングがストレスになったことはありません。なにせ、あまりストイックにならず、テキトー(適当)に楽しんでますから(笑)。だから、忙しくてジムから足が遠のくと、なんとなく体がしゃっきりしないというか、もやもやするというかフラストレーションが溜まります。

「貯筋倍増計画」などは掲げていませんから、「ちょっと上を目指す」ぐらいの気持ちで良い加減にトレーニングに励んでいます。

「ちょっと上」のトレーニングを丁寧に継続していけば、「筋肉ムキムキ」になることもありませんが、貯筋が目減りすることもないでしょう。

食べる順番で
「たん活」効果をアップ

生島 料理好きの妻のおかげで、毎食、主菜に「魚」と「肉」がダブルで並びます。

 つまり「ダブルたん活」。これで「たん活」も順調……と書きたいところですが、年齢とともに食べる量が減ってきて、メインディッシュにたどりつく前に満腹ということが増えてきました。

 ところで、あなたは食事のとき好物を真っ先に食べるタイプ? それとも最後に食べるタイプですか? どちらのタイプにも、それぞれ言い分があります。

 真っ先派は「あたたかいうちに・お腹が空いているうちに食べたい」。最後派は「楽しみはとっておいて、ゆっくり味わいたい」。この大論争(?)に終止符が打たれるときが来ましたよ!

 70歳からは「食べる順番は栄養素で決める」。

 食べる順番に気をつけるだけでダイエットの効果があることはよく知られていますね。一般的には次の順番がヨシとされています。

(1)汁物(お味噌汁やスープなど) (2)副菜(煮物、サラダ、キノコ、海藻類など) (3)主菜(魚、肉、卵など) (4)主食(ご飯、パン、パスタなど)

 これは野菜(ベジタブル)を最優先にする「ベジファースト」の食べ方です。

 体重を気にしていた頃は僕も「ベジファースト」を実践していましたが、主菜にたどりつく前に「お腹いっぱいだ~」となってしまうこともたびたびありました。