でも、70歳を超えてからはそもそも食べる量が減っているのだから、それほど太る心配はしなくていいはず。体重ばかり気にして貯筋のための「たんぱく質」が不足してはいかん! と、優先順位を考えた結果、今は「たんぱく質ファースト」に切り替えました。

 最初に主菜から食べるようにして、その後、汁物、副菜、主食と進みます。つまり、

(1)主菜(魚、肉、卵など)→最初にしっかりたんぱく質を確保。

(2)汁物(お味噌汁やスープなど)→ちょっとお腹を膨らまして食べすぎ予防。

(3)副菜(煮物、サラダ、キノコ、海藻類など)→たんぱく質の吸収を妨げないよう、食物繊維はこのタイミングで。

(4)主食(ご飯、パン、パスタなど)→糖質は最後に少し。

 という順番です。

「たんぱく質ファースト」がうまく流れるようにひと工夫もしています。それが食事の30分前にコップ一杯の白湯をゆっくり飲むこと。空きっ腹にいきなり肉や魚はちょっときついですよね。胃腸がじんわり温まる「一杯の白湯」のおかげで、体が食事モードに切り替わってゆったり食事を楽しめています。

便利食材をどんどん使って、
簡単おいしい「たん活」生活

鎌田 生島さんありがとうございました。

 生島さんの食べる順番は、中高年にとっては最適のように思います。生島さんが考えている、筋活でちょっと上のトレーニングを継続しているのも、とてもいいと思います。つらいときに“ちょっとホッとすること”を鎌田は「ちょいホ」と呼んでいますが、生島さんのちょっと上は、鎌田流に表現すると「ちょい上」。高齢者の貯筋法の黄金律のように思います。「ちょい上」、流行らせたいですね。

 それに、毎食、魚と肉がダブルで並ぶ、生島家の「ダブルたん活」は、ぜひお手本にしてほしい食生活です。

 が、毎食ガッツリ料理をするのは難しいという方も多いでしょう。

 だからといって、「たんぱく質が足りていない」と自分を責めちゃいけません。「筋力が弱って寝たきりになるのかしら」といたずらに不安になってもいけません。「まめに料理するのは無理だよ」とあきらめてもいけません。