「あれ? いま何しようとしてたんだっけ?」「ほら、あの人、名前なんていうんだっけ?」「昨日の晩ごはん、何食べんたんだっけ?」……若い頃は気にならなかったのに、いつの頃からか、もの忘れが激しくなってきた。「ちょっと忘れた」というレベルではなく、「しょっちゅう忘れてしまう」「名前が出てこない」のが、もう当たり前。それもこれも「年をとったせいだ」と思うかもしれない。けれど、ちょっと待った! それは、まったくの勘違いかもしれないのです。
そこで参考にしたいのが、認知症患者と向き合ってきた医師・松原英多氏の著書『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』(ダイヤモンド社)だ。本書は、若い人はもちろん高齢者でも、「これならできそう」「続けられそう」と思えて、何歳からでも脳が若返る秘訣を明かした1冊。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、脳の衰えを感じている人が陥りがちな勘違いと長生きしても脳が老けない方法を解き明かす。
減塩を心がける
高血圧対策で、とり組みたいのは、「減塩」です。
塩分(塩化ナトリウム)をとりすぎると、血圧が高くなることはよく知られていますが、いったいなぜなのでしょうか?
大きな理由が2つ考えられます。
体内の塩分は
一定に保たれている
1つは、塩分と「浸透圧」との関わりです。
私たちの身体(体液中)の塩分は、一定範囲内になるように自動的にコントロールされています。
塩分に含まれる「ナトリウム」が、体内で果たす役割は多岐にわたっており、つねに一定範囲内であることが必要なのです。
塩辛いものを食べると
なぜのどが渇くのか?
浸透圧というのは、濃度を一定に保とうとして塩分などが薄い側から濃い側に移動することをいいます。
塩分を過剰に摂取すると、浸透圧を一定範囲内に収めるため、水分を体内にため込むようになります。
「塩辛いものを食べると、のどが渇いて水をたくさん飲みたくなる」という反応は、この生理的なしくみに基づいています。
血圧が高まるしくみ
体内の水分が増えると、血液量も増えます。血管は「閉鎖回路」なので、限られた血管のスペースで血液量が増えたら、内圧が高まります。
「血管の内圧=血圧」ですから、血液量が増えると、血圧が上がるのです。
また、余分に摂取した塩分や水分は、血液のろ過を担当している「腎臓」を介して体外に排泄されます。その排泄をスムーズにするためにも、血圧は上がります。
※本稿は、『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』より一部を抜粋・編集したものです。