中国では外国映画の上映本数に
制限がある

 そもそも中国の外国映画は、許可制で年間上映本数が決まっている。

 日本の文化庁の公開資料やジェトロのレポートによると、中国国内で、2019年には過去最多の年間129本の外国映画が上映された。直近10年ほどで4倍近くに増加している。

 2020年以降は、新型コロナウイルスによるロックダウン等々の影響が長期間に及んだため、上映される映画本数自体が減少したようだ。

 ここで、中国の外国映画上映の歴史を少しひもといてみたい。

 中国市場の将来性に早くから目をつけた米国が中国へ働きかけて1992年に「年間10本上映」で合意。ここから中国での外国映画上映の歴史が始まる。

 2000年代に入り中国経済が急成長、映画市場も拡大するも中国政府は、外国映画の上映許可数を増やすことを渋っていた。

 それに業を煮やした米国は、世界貿易機関(WTO)へ中国を提訴し、2009年には年間上映許可数を34本まで増やさせたという経緯がある。

 この頃の米国映画は、中国人が喜ぶようなストーリーにしたり、中国人俳優を起用したり、さり気なく中国製品が映り込んだりと中国市場を意識した映画が増えた。

 思い返すと、そんな映画を見たという記憶はないだろうか。