外国人の企業幹部が中国出張を恐れている。帰れなくなる可能性があるからだ。中国政府が今年、外国企業への締め付けを強化し、銀行関係者や企業幹部に出国禁止措置を取ったことから、中国本土への出張に対する懸念が高まっている。一部の企業は中国出張の中止または延期に動いている。出張計画は維持しつつも、単独ではなくグループでの入国を社員に指示するなど、新たな安全対策を実施する企業もある。「中国への渡航に対する警戒は非常に強い」。世界の大手企業と取引のあるATGトラベル・ワールドワイドの最高経営責任者(CEO)、タミー・クリングス氏はそう話した。「業務に欠かせない出張だけにしたほうがいいだろう」クリングス氏によると、米企業による中国出張の中止や延期はここ数週間で約25%増加した。米政府が関わったある調査では、回答者の5分の1近くが中国への出張を減らしていることが分かった。調査結果は先月公表されたもので、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はその内容を確認した。