「何のためにあるのか?」。これは暗号資産(仮想通貨)業界が直面する本質的な疑問だ。規制当局も同じ疑問を抱いている。その答えとしてビデオゲームが急浮上した。ただし、投機家を追い払うことができればの話だ。経営破綻した暗号資産交換業者FTXの創設者、サム・バンクマンフリード被告の裁判が続いている。この現状は、暗号資産がかつて期待されたような伝統的金融の代替手段になるどころか、その存在自体が大きな賭けになっていることを浮き彫りにする。現状を変えるために、暗号資産開発者が注目しているのは、イーサリアムの共同創設者ギャビン・ウッド氏が「ウェブ3」と名づけたものだ。すなわち静的ウェブサイト、ソーシャルメディアに続く第3のインターネット革命を指す。今とは違って、巨大IT企業が主導権を握るわけではない。新しい世界を特徴づけるのは分散型組織であり、ブロックチェーン(分散型台帳技術)や暗号資産、非代替性トークン(NFT)がそれらを結びつける。