たとえ、ぼんやりした不満でも改善案を考えることで解像度が上がりますし、実際に解決策が用意できれば実現しやすくなります。提案がそのまま通らなくても、「B案のここをかえて試してみましょう」などとブラッシュアップしながら具現化できるパターンも少なくありません。

 イチから考える段階でだれかを巻き込むと、その人の分も時間や価値を使うことになってしまいます。それは相手にも会社にも損失なので、自分で考えられることは考えてからミーティングに臨むようにすべきです。

会議中に議事録を完成させる方法

お悩み
「会議やミーティングの度に私が議事録を書くことになっているのですが、そもそも議事録って必要でしょうか? 会議に参加している人がそれぞれ必要なことをメモすればいい気がするのですが」

 議事録は軽視されがちです。しかし、実はかなり重要で、担当になっていないとしても、率先して作ったほうがいいとさえ思っています(もちろん「必要な会議」というのが前提です)。まずは「スキルアップ」につながるのが大きなメリットです。

 会議中の議論を「構造化」したり「抽象化」したりする訓練として議事録は最適。しかも、ビジネスに「議論」というプロセスが必須である限り、そのスキルは必要であり続けると思います。

 このメリットでわかるとおり、ここで指している議事録とは会話をそのままテキスト化するような内容ではありません。それだけならボイスレコーダーやスマホで録音しておけばいいでしょう。そうではなく、会議で話した内容を構造化してポイントがわかるようにまとめた議事録である必要があります。

 そんな議事録が作れるようになると、目の前の議論が本来の目的から脱線していないかを意識できるようになるので、ファシリテーターのスキルにもつながると考えています。 議事録を作るタイミングは「会議中」が理想。難易度は高いのですが、会議中に議事録がまとめられれば独立したタスクが増えることにはならず、時間も節約できます。

 私はコンサルティングファーム時代にクライアントとミーティングする機会が多かったのですが、ミーティングがおこなわれるその場で議事録をまとめ、終わりの「ありがとうございました」と同時にプロジェクトチーム全員に送信するということをやっていました。これはかなりの訓練になったと思います。