打ち合せは「決めること」にフォーカスする

お悩み
「仕事の進め方を改善したくて上司と何度か1対1でミーティングをしたのですが、話し合っても毎回堂々めぐりになってしまい、不毛に終わってしまいます。建設的なミーティングにする方法はないでしょうか?」

 実は、逆の立場からの同じような不満もたくさん見受けられました。「部下からの相談が多くて自分のタスクがなかなか進められず、残業が増えてしまって自分の時間が削られています」といったような悩みです。もしかしたら違う種類の不満に見えるかもしれませんが、どちらも結局は「なにを決めるのか」が曖昧なのが問題だと思います。

 大人数の会議でも、2人だけのミーティングでも、「決めること」にフォーカスしないと無意味な時間になってしまいます。私も部下から相談を受けることがあるのですが、なにを決めるかが曖昧なことがけっこうありました。そうなると、30分を費やしてもなにも決まらず、またすぐに相談を受けることになってしまいます。

 それはお互いに時間を浪費していることになるので、最近は私から「なにを決めるのか」を設定するように誘導しています。ただし本来は、相談する側が「決めること」を設定すべきです。私が上司に相談する場合も、最初に必ず「なにを決めたいか」を伝えます。むしろ、「決まるまでは離しません」くらいの勢いで相談しています(笑)。1対1の場合は時間を少しくらい融通できるケースも多いので、延長してでも「決める」にフォーカスしているのです。

 もちろん、スケジューリングの段階でもアジェンダの頭出しはします。それに加え、実際に話すときにも改めて再確認し、「決めること」を徹底しているのです。自分が「相談者」のようなマインドだと、伝えたいだけ、グチりたいだけ、と思うこともあるかもしれません。

 しかし、仕事の関係である以上は、それが本当に上司とのミーティングとして意味があるのかはきちんと考えるべきです。細かい手法を少し補足すると、相談内容を「クローズドクエスチョン」にするのは効果的です。

 制約を設けず自由に答えられるように質問するのが「オープンクエスチョン」、選択肢の中から答えを選ぶように質問するのが「クローズドクエスチョン」です。つまり、「これについてどう思いますか?」ではなく、「A案、B案、C案のどれがいいですか?」と質問すれば決まりやすくなります。