企業震撼!膨張する地政学リスク#1Photo:J Studios/gettyimages

自由貿易を前提に最適なグローバル・サプライチェーンを築いてきた日本企業にとって、米中対立による“分断”は大いなる誤算だ。『企業震撼!膨張する地政学リスク』の#1では中国市場への依存を続けている大手企業50社のランキングを大公開する。(ダイヤモンド編集部編集長 浅島亮子)

「週刊ダイヤモンド」2023年10月21日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

三菱自動車が中国生産から撤退!
日本企業に迫る二大問題とは

 三菱自動車が中国での自動車生産から撤退する方針を固めた。撤退に伴う条件などについて、合弁相手である中国・広州汽車集団との交渉がまとまりつつある。

 昨年来、三菱自では中国生産の終了に向けて周到に準備が進められていた。2023年3月期に中国事業関連損失226億円が計上されるなど、将来の撤退をにらんだ財務処理が着実に施されていたもようだ。

 本稿では、三菱自が中国生産からの撤収を決めた真相を明らかにしていこう。

 また、三菱自のように中国ビジネスを積極展開してきた日本企業に、かつてないほどに大きな試練が訪れている。中国経済の減速と中国政府による(日本を含む)外資企業への締め付けという二大問題が突き付けられているためだ。

 次ページでは、地政学的に高リスクと目される『日本企業「中国依存度」ランキング』を大公開する。