香港株式市場の低迷は、香港という都市が直面している課題を象徴している。課題とは、構造的な様相を強めている中国経済の減速と、中国政府による締め付けだ。中国経済は来年、景気循環で少し改善する可能性はあるものの、どちらの問題もすぐには消えそうにない。香港取引所が20日発表した7-9月期(第3四半期)決算は低調で、香港が抱える問題の深刻化をあらためて示した。香港証券取引所のほかロンドン金属取引所(LME)を所有する香港取引所の株価は、低空飛行が数年続いている。その価値は2021年の高値から半減し、今年は年初来で15%安となっている。20日発表の決算は、表面上は好調に見えるかもしれない。営業利益は前年同期比27%増加した。だが、そのほとんどは香港と米国の預金金利の上昇に伴う投資収益の急増によるものだった。実際、売買・上場手数料を含む収入は3%減少した。
香港、株式市場の低迷が映す「地盤沈下」
多くの中国企業は現在、上海や深圳でのIPOを選択
有料会員限定
あなたにおすすめ