新NISA 徹底活用#14Photo:RUNSTUDIO/gettyimages

高ROE銘柄は長期投資の候補になる。だが、過去10期平均で2桁ROEながら営業CFがマイナスで、赤字体質となっている銘柄もある。長期で株を保有したい個人投資家にとっては要注意だ。特集『新NISA 徹底活用』(全15回)の#14では、「自己資本営業CF比率ワーストランキング」を作成した。(ダイヤモンド編集部 小栗正嗣)

「週刊ダイヤモンド」2023年11月4日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

2桁ROEながら要注意
自己資本営業CF比率ワーストランキング

 長期保有銘柄にはROE(自己資本利益率)が高い銘柄を選ぶのが常道だ。しかし、中にはROEの分子となる最終利益がプラスになっているにもかかわらず、営業キャッシュフローがマイナスとなっている銘柄もある。それらは長期保有には向かない銘柄と考えた。

 過去10決算期以内に債務超過となった銘柄を除外した上で、過去10期の平均ROEが2桁となった銘柄をピックアップ。その中から10期平均の自己資本営業キャッシュフロー比率によるワーストランキングを示した。

 平均ROEが高いのに、営業キャッシュフローベースで頻繁に赤字となっている“隠れ赤字体質”銘柄が意外にあることが分かる。中でも不動産業は1業種で全体の6割強を占める。

 販売用不動産の仕入れがかさむと、手元資金や営業活動で獲得した資金だけでは賄い切れず、仕入れた不動産を担保とする借入金で補うことなどがその理由だ。もっとも大手の不動産業者は長期借入金や債券発行で賄うことができるため、こうした問題が生じにくい。

 では、ランキングの上位に入った銘柄を見ていこう。