野村や三菱が投資信託の信託報酬を巡って引き下げ競争を繰り広げる中、大和アセットマネジメント(AM)は距離を置く。特集『新NISA 徹底活用』(全15回)の#6では、大和AMが新NISAの成長投資枠を念頭に、よりリターンの狙える商品を推奨する理由を、同社の小松幹太社長に聞いた。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)
お客さまに説明する努力には対価が必要
引き下げ競争ではもうからないビジネスになる
――ノーロードインデックス投資信託の信託報酬の引き下げ競争が激化しています。大和アセットマネジメント(AM)は、これに同調しないという方針です。
信託報酬は低い方がいいのかもしれませんが、投信の運用会社も販売会社も、投資家の皆さまに商品の説明をしなければなりません。
こうした努力に対して支払われる対価がないと、努力は持続可能なものにはならないと考えます。
日本の大手運用会社9社の年間の経常利益を合計しても、2000億円に満たない水準です。コストの引き下げ競争が激化すると、投信などの運用や販売は、そもそももうからないビジネスになってしまいます。
――信託報酬を引き下げている運用各社は、低い信託報酬を武器にシェアを広げる戦略です。どのように対抗しますか?
新NISAのスタートにより、多くの投資初心者が参入する可能性があるが、大和AMの小松社長は、とっつきやすいノーロードインデックス投信のコスト引き下げ競争とは距離を置くと明言する。同社が考える投資初心者にとってのメリットとは何か?新NISAの特徴をどのように生かすのか、詳しく聞いた。