新NISA 徹底活用#15Photo:RUNSTUDIO/gettyimages

“人気”となって売買代金が大きく膨らむ一方で、その期待に業績が追い付かない。時価総額は一時的にしか大きくならない。そうした過熱銘柄も長期保有には向かない。特集『新NISA 徹底活用』(全15回)の最終回では、過去4四半期の売買回転率が大きい要注意銘柄をランキングした。(ダイヤモンド編集部 小栗正嗣)

「週刊ダイヤモンド」2023年11月4日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

売買過熱に業績が追い付かない
売買回転率が大きい銘柄ランキング

 このところ人気となっているものの、長期保有には向かない銘柄を需給面から探ってみた。

 盛んに売買されているため、売買代金(売買株数×株価)は大きく膨らむ。だが、そうした期待に業績が追い付かない場合、時価総額(発行済み株数×株価)は一時的にしか大きくならない。

 そこで前期決算末から過去4四半期平均の売買代金の回転率(売買代金÷時価総額×100)が大きい銘柄をランキングした。45銘柄中、情報・通信業が13銘柄。全体の3割程度と比較的多い。

 一般に、業績の黒字転換や利益の急拡大が見込まれるような場合は、目先の投機家の思惑を呼び、売買が盛んになりがちだ。ランキング上位には収益がゼロ近傍を往来する銘柄が多く、そうした傾向が読み取れる。また、上場して間もない銘柄も時価総額に対して売買代金が膨らむ傾向にある。

 そんな高売買回転率ランキングの顔ぶれの中に、大商いの代表選手が入っている。24位の半導体検査装置メーカー、レーザーテックだ。同社はEUV(極端紫外線)光源で描かれた最先端の微細半導体フォトマスク(ガラス乾板)の欠陥検査装置で、100%のシェアを誇る。

 株価は2019年からの3年間で約30倍に上昇し、その後ピークアウト。売買代金ランキングでは頻繁に上位に食い込む“常連”だ。将来性は見込まれるが、株価の乱高下が激しく、長期で持ち続けるには強い信念と忍耐が求められそうである。

 それでは、ランキングに戻って、上位に入った銘柄を見ていこう。