マーク・ザッカーバーグ氏がハーバード大学を中退した頃、ゴビンド・グナナクマールさん(19)はまだおむつをしていた。メタ・プラットフォームズ創業者のザッカーバーグ氏と同じく、グナナクマールさんもビジネスを始めるのに大学卒業を待つつもりはない。グナナクマールさんは自身の人工知能(AI)スタートアップ企業、オートモーフィックに集中するため、5月にジョージア工科大を中退した。AIのゴールドラッシュに乗り遅れまいと大学を後にした10代・20代の若者の一人だ。オープンAIの対話型AI「チャットGPT」やグーグルの「Bard(バード)」の登場で、会話ができ、役に立つAIという遠い昔の約束が実現に近づこうとしている。それは投資ラッシュをもたらし、タスクを自動化して仕事を変革する新しい企業を次々と生み出している。スタートアップ企業のデータベースを運営するクランチベースによると、今年これまでの米国のスタートアップ投資は、その25%以上がAI企業に集まっている。