コメダとドトールPhoto:Diamond

新型コロナウイルス禍が過去のものとなりつつあるが、多くの業界においてコロナ前への完全な逆戻りは起きず、新たな事業環境に突入している。そこで上場約50社、15業界における月次の業績データをつぶさに見ると、企業によって業績の明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「【月次版】業界天気図」。今回は、2023年9月度のカフェ編だ。

コメダ独り勝ちにドトールが「待った」をかけるか

 カフェ・レストランの主要3社が発表した2023年9月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯ドトール(ドトール・日レスホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
 9月度:前年同月比116.8%(16.8%増)

◯サンマルク(サンマルクホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
 9月度:同117.1%(17.1%増)

◯コメダ珈琲(コメダホールディングス〈HD〉)のFC向け卸売売上(既存店)
 9月度:同124.9%(24.9%増)

 3社とも前年実績を10%以上も上回った。特にコメダ珈琲は24.9%増である。7月にグループ1000店舗達成したのを記念して、全国のコメダ珈琲では大々的なキャンペーンを行っている。9月はキャンペーン第4弾「モーニングパン追加無料キャンペーン」と第5弾 「コーヒー類おかわり無料キャンペーン」を実施。「多くのお客様にご来店いただきました」という。

 一方、ドトールも負けてはいない。8月1日から全国の店舗で「日本の大手カフェチェーンとしては初めて」の取り組みを始めているのだ。さて、その内容とは? 過去約4年分の月次動向を分析しながら、アフターコロナ時代のカフェ業界の勝者を探ってみよう。