米ロサンゼルス郊外にあるチャーリー・ギルランさんの撮影用機材倉庫は、以前に比べてはるかにひっそりしている。脚本家や俳優による数カ月に及ぶストライキでハリウッドの製作が凍結されたため、映画「オッペンハイマー」や近く配信開始されるザック・スナイダー監督の「REBEL MOON」などの撮影に用いたチェーンホイスト(巻き上げ機)やトラス(はりを三角に組んだ構造)、移動式ステップがほぼ使われることなく保管されている。ギルランさんとパートナーは会社を存続させるため、自宅を担保にして借金し、映画やテレビではなくイベントやコマーシャルの仕事で食いつないでいる。ストライキで6カ月近く仕事が止まっているため、彼らが経営するC&Cスタジオ・サービシズのようなロサンゼルス周辺の中小企業は打撃を受けている。映画・テレビ業界に依存するこの都市では、ストが家計収入を圧迫し、中小企業を危機に追いやり、家庭が支払いを滞納する事態となっている。
ハリウッドのスト、零細企業襲う「隠れた代償」
撮影中断で映画製作サービス会社やケータリング業者が苦境に
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