サイゼリヤで「カエル混入事件」発生!ガストやロイホも対岸の火事ではいられない理由Photo:Diamond

新型コロナウイルス禍が過去のものとなりつつあるが、多くの業界においてコロナ前への完全な逆戻りは起きず、新たな事業環境に突入している。そこで上場約50社、15業界における月次の業績データをつぶさに見ると、企業によって業績の明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「【月次版】業界天気図」。今回は、2023年10月度のファミレス編だ。

サイゼリヤで“カエル混入事件”発生

 ファミレスの主要3社が発表した2023年10月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯すかいらーくグループ(すかいらーく)の既存店売上高
 10月度:前年同月比111.6%(11.6%増)

◯ロイヤルホスト(ロイヤルホールディングス〈HD〉)のロイヤルホスト既存店売上高
 10月度:同108.6%(8.6%増)

◯サイゼリヤの既存店売上高
 10月度:同118.7%(18.7%増)

 3社とも前年の実績を超えている。中でもサイゼリヤの118.7%(18.7%増)が目立つ。なお、すかいらーくグループは、ガストやバーミヤン、しゃぶ葉、ジョナサン、夢庵など複数のブランドを含む。

 ところで、サイゼリヤは11月3日、東京都と神奈川県の計3店舗で10月に販売したサラダに、「カエルが混入していた」と発表した。神奈川県内の自社工場で加工しているレタスに混入した可能性が高いという。同工場からは関東、東北、東海の各地方にある740店舗に供給しており、再発防止策として「レタスの下処理作業で従来の目視点検に加え、外側の葉部分を1枚ずつ剥がして裏表を確実に点検する」という。一方、SNS上では「店舗スタッフが客に提供する直前に気付けなかったのか」「忙しすぎたり、人手不足なのでは?」といった店舗オペレーションへの指摘もある。

 さまざまなものが値上がりする昨今、サイゼリヤは値上げをしない逆張り戦略を貫いており、「安くておいしい外食チェーン」として人気だ。月次業績では一見すると好調のようだが、コロナ前の実績と比較した「真の復活度」を確かめると、どうなっているのか? 次ページでは約4年分の月次動向を振り返り、すかいらーく、ロイヤルホストの状況も含めて詳しく見ていこう。