インテリアもユニークである。海を感じさせるデザイン要素がちりばめられている。ダッシュ中央にある12.8インチの大画面ディスプレイは、ワンタッチで縦横を切り替えできる機能を内蔵。ウインカー作動音や、各種警告音は、いろいろな音色が選べるなど、遊び心も楽しい。シートの作りもよかった。聞いたとこではフランスのメーカーと共同開発したそうだ。上級のロングレンジなら、より個性的なカラーが選べる。室内は十分な居住空間が確保されていて、とくに後席の広さが印象的だ。

走りの完成度は上々
グローバルでも売れ、熟成進む

 安全機能を含め、装備は充実。生体に反応する幼児置き去り検知システムが標準装備されることも特筆できる。同じくドライバー注意喚起機能も充実している。走行セレクターは、ダイヤル式。視線を外すことなく操作できるようになっていた。輸入車ながらウインカーのレバーが右側にある配慮もポイントだ。

 走りの完成度は上々だった。速さは普通に乗るには十分。3段階のドライブモードが選べて、走り始めの加速の力強さが相応に変わるが、どれを選んでも出足は俊敏で心地いい。何より静かでスムーズ。BEVっていいな、と感じさせる乗り味である。

 乗り心地も悪くない。リアサスペンションがマルチリンク式のロングレンジに対し、メインで試乗したスタンダードはトーションビーム式になるが、意外や路面の凹凸や段差を通過しても衝撃があまり伝わってこない。快適にドライブできる仕上がりに驚いた。

 ドルフィンの本国デビューは2021年6月。すでにグローバル販売は43万台に達するという。そのぶん熟成も進んでいるようだ。各部の作りを含めて完成度は非常に高い。気のおけないパートナーとしてBEVライフを楽しませてくれそうだ。日本勢や欧州勢にとって少なからず脅威になりそうである。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/山上博也)

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