まず、ライドシェアのサービス提供者は特別の講習を受けたわけでもなく、特別の運転免許も有しない素人である。運転技術や道路事情に関する知識は、タクシー運転手には劣る。言うまでもないが、これは「俺は運転がうまい」という類いの話ではない。客の命を預かって運転する職業に従事する資格などの前提条件があるのかどうかという話である。
したがって軽微なものを含め、事故に遭遇するリスクは必然的に高くなる。加えて事故に遭った場合の補償をする主体もサービス提供者個人であり、十分な補償が受けられるか否か以前に、全く受けられない、対応してもらえない可能性さえ否定できないだろう。
そして、低廉なライドシェアと地域の公共交通との無用な競争が、地域の公共交通、公共交通網に壊滅的打撃を与えることになる可能性が高い。
先にも述べたとおり、ライドシェアが導入されることでタクシーや他の公共交通の運転手の賃金が下げられたり、利用者が減少したりして、タクシーや他の公共交通の運転手が退出してしまい、その結果、タクシーの台数が減るだけでなく、公共交通の路線の廃止や、ひどい場合は事業自体がなくなってしまう可能性も否定できない。
交通空白地帯化し、移動の利便性が著しく低下した地域から人口も流出し、結果として需要減でライドシェアも退出することになるだろう。
これでもライドシェアなる白タクを「解禁」したいですか?