グローバルでの気候変動領域ファンド増加の背景には、機関投資家の変化も大きく影響している。近年「ESG投資」という言葉を耳にする機会も増えたが、大手資産運用会社のBlackRockを筆頭に有力な機関投資家が脱炭素や気候変動対策に向けた取り組みを推し進めている。米国ではジョー・バイデン政権が誕生し、政府としてもカーボンニュートラルの目標を掲げたことで、さらに流れが速まったかたちだ。

日本政府も2020年10月に「2050年までにカーボンニュートラルを目指すこと」を宣言している。クリーンテックやクライメートテック領域に特化したVCという観点では米国の方が動きが進んでいるものの、上述したANRIの新ファンドを含め、今後同様の取り組みが広がっていく可能性はありそうだ。