医療や失業対策、年金などの社会保障を担う厚生労働省。同省出身で上場企業の社外取締役に就いているOB・OGは38人いた。このうち、役員報酬額で1000万円を超えたのは13人。特集『役所&日銀出身の社外取締役「報酬」ランキング』(全16回)の#5では、厚労省出身者のランキングを公開する。厚生労働事務次官OBが1980万円で5位に付け、トップの金額は4733万円だった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
OB・OG社外取の推計報酬額を一挙公開
報酬額トップ10のうち女性が7人も!
少子高齢化に伴って、社会保障費が増え続けている。2024年度の当初予算は37.7兆円となり、一般会計の歳出全体の33.5%まで膨らんでいる(1990年度は同17.5%)。ゆりかごから墓場まで、国家が国民の面倒を見るには膨大なお金がかかるのだ。
そして、これは医療や介護、年金や雇用、子育て支援や貧困対策などの政策を担当する、厚生労働省の所管となる。守備範囲が広いこともあり、働いている職員の数は3万人を超える。
01年に厚生省と労働省が統合して発足した厚労省は、国民の生活に直結する政策や制度をつかさどっている。例えば新型コロナウイルスの感染拡大に際し、感染対策やワクチン、治療薬の承認などで耳目を集めたことは記憶に新しい。
今回は、厚労省を出身母体とする上場企業の社外取締役38人を取り上げる。国家予算の3分の1を使う巨大官庁だけあって、12ある府省の中で4番目に出身社外取の人数も多かった。
ダイヤモンド編集部は、厚労省OB・OGの社外取が受け取っている総報酬額を独自に試算。役員報酬額で2000万円超の社外取が4人もおり、いずれも女性だった。トップの金額は4733万円に達した。
それでは次ページで、詳細を見ていこう。ランキングの中で、再就職先の「社名」や「兼務社数」「推計報酬額の合計」といった項目を見ていけば、社外取としての働きぶりが待遇に見合うものかどうかがチェック可能だ。
また、厚生労働事務次官や医政局長、雇用均等・児童家庭局長などといった「役人時代の主なポスト」は報酬額と強い関係があり、必見の内容だ。