最短10秒、営業担当者と見込み顧客が1クリックで通話可能

Quickerのイメージ画像
 

Quickerの特徴は営業担当者と見込み顧客がウェブサイト上にて最短10秒程度でつながり、そのまますぐに会話できることだ。

企業がQuickerを活用すると自社サイトの左下に電話型のアイコンが設置されるようになる。サービスに興味を持った見込み顧客がそのアイコンをクリックすると簡単なフォームが表示され、名前や電話番号などを入力した上で担当者との通話を希望することが可能だ。

通話のリクエスト後は担当者に通知され、“すぐに対応できる状態であれば”という条件付きにはなるものの、最短10秒足らずで両者がつながり通話が始まる(担当者が顧客の電話番号宛に携帯電話やIP電話から発信)。

これまで法人営業担当者と見込み顧客とのウェブサイトにおける接点は、資料請求のフォーム、問い合わせ用の電話番号、チャットボットなどが主流だった。

ただこれらの手段では「顧客はプロダクトの有用性を知りたいのに先に個人情報などの入力が求められる」、「営業担当者は顧客につながるまで何度も電話をかけて、問い合わせの背景や意図を聞かなければならない」など、双方に負担がかかっていたと渡邊氏は話す。

特にコロナ禍では担当者に電話がつながらないケースが増え、企業側の「顧客との新しいタッチポイント」へのニーズが一層高まった。Quickerは現在ベータ版という位置付けではあるが、社員数50〜300名規模の企業を中心に数十社が活用しているという。

「実際にサービスに興味を持った顧客が営業担当者と話すまでに、平均で42時間くらいの時間がかかっていると言われています。顧客が問い合わせフォームに情報を入力して、メールが送られて。(インサイドセールス担当者が)電話をするもののすぐには繋がらない場合もあり、時には何度か電話をしながら日程調整をするといったように膨大な工数がかかっていました。Quickerはこれを最短でたった10秒にすることを目指したサービスです」(渡邊氏)

Quickerの特徴
 

Quicker導入後の変化としては「顧客との接触率」に大きな違いが生まれることが多い。ある導入企業では問い合わせをしてきた顧客のうち、30%ほどしか電話がつながらず、課題を感じていた。その数値がQuickerを利用し始めてから70%ほどに上がったのだという。

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Quickerでは最短10秒で見込み客とつながれるという機能を軸に、サービスを強化している状況だ。IPアドレスから見込み顧客の企業を推定し、その上でポップアップの表示の有無やタイミングを変更する機能なども実装。Salesforceのように営業担当者が利用する外部システムとの連携も強化している。