パートナーである猫の長生きが、人間のウェルビーイングにつながる

──Catlogを展開するRABOに出資しました。

私たちはESG重視型ファンドを運営しています。この“ESG重視”というのは、投資先となる企業が「環境・社会・ガバナンス」に関する事業を展開していることもそうですが、もうひとつ大事な視点が「社内にESGを重視する姿勢を実装しているかどうか」です。

なぜ、MPower PartnersがRABOに投資したのか、と思った人もいるでしょう。まず、RABOが掲げる「世界中の猫と飼い主が1秒でも長く一緒にいられるように、猫の生活をテクノロジーで見守る」というミッションは、非常にESGと相性が良い。

海外では欧米を中心に、動物を“感受性のある存在”と捉え、家畜にとってストレスや苦痛の少ない飼育環境を目指す「アニマルウェルフェア」という考え方が広がりを見せています。このアニマルウェルフェアはESG投資の指標としても重視されています。

昨今、日本でも個人が身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを指す「ウェルビーイング」が注目されるようになってきましたが、動物に関してはまだまだ。アニマルウェルフェアの考え方を知っている人はごく一部で、欧米と比べて浸透しているとは言えません。

そうした中、RABOはに⾸輪型デバイスとスマートフォンアプリの「Catlog」、トイレ・体重管理のIoTデバイス「Catlog Board」といったサービスを通じて、猫様が飼い主と1秒でも⻑く⼀緒にいられるようにしている。それは猫様の健康もそうなのですが、家族の⼀員である猫様が長生きすることで、人間もより幸せに生きることができるわけです。

また、リサイクル・リユースを意識するなど、環境に配慮したモノづくり、サービス設計などESGを重視するカルチャーも構築されていました。事業内容、社内のカルチャーも含めて素晴らしいと感じましたし、何よりマーケット自体も非常に伸びています。

「2021年の全国犬猫飼育実態調査」によれば、犬の飼育頭数は減少傾向にありますが、猫の飼育頭数は2013年以降、増え続けています。私たちは非営利団体ではないので、きちんと金融のリターンも求めなければなりません。

海外のマーケットも含めると、非常に大きなポテンシャルがある。さらには、テクノロジーを通じて社会課題を解決する、ESGを重視するという方向性が私たちの考えと一致したこともあり、今回RABOに投資することを決めました。