2021年、投資家とブロックチェーンゲーマーによるコミュニティ、Yield Guild Games(イールドギルドゲームズ、以下YGG)が、スカラーシップというビジネスモデルを生み出した。

YGGは世界最大規模のDAO型ブロックチェーンゲームギルドで、大手VCのAndreessen Horowitz(a16z)がフィリピンで初めて出資した組織でもある(編集部注:YGGにはIVCも出資。IVCはYGGの日本運営を担うYGG Japanを共同設立した)。

スカラーシップとは、ゲームキャラクターやゲームアイテムなど、NFT化されたゲームアセットのレンタル制度だ。

Play to Earnゲームで遊んで稼ぎたいユーザーは、先にゲームアセットを購入する必要がある。その金額が多くの潜在的プレーヤーにとって高いハードルになってきた。

YGGが発案したスカラーシップとは、NFTをYGGがプレーヤーに代わって購入し、貸し出す仕組みである。プレーヤーがNFTを使って遊んで稼いだら、収益をYGGと分配する。NFTを借りるプレーヤーは「スカラー(Scholar)」と呼ばれ、スカラーの獲得やNFTの貸し出しなどの運営を行う組織は「ギルド(Guild)」と呼ばれている。

なお、Axie Infinityでは3月22日、サイドチェーンから6億2400万ドル(約770億円)相当の暗号資産が流出する、過去最大規模のハッキング事件が発生。そして4月6日には流出した資金の返済を目的に、1億5000万ドル(約185億円)の資金調達を実施した。

GameFi業界の3つのレイヤーと主要なプレーヤー

GameFi業界には他の業界と同様に、バリューチェーンの上流から下流までさまざまなレイヤーが存在する。1つのレイヤーに特化したプレーヤーもいれば、複数のレイヤーで事業展開するプレーヤーもいる。本記事では分かりやすく、3つのレイヤーに分けて説明する。

GameFi業界のバリューチェーンの上流とは、ブロックチェーン、開発プラットフォーム、開発者向けAPIプロバイダーなど、ブロックチェーンゲームを開発するのに必要なインフラのことだ。現時点で一番使われているブロックチェーンはEthereum(イーサリアム)だが、後発のSolana(ソラナ)、Polygon(ポリゴン)、Avalanche(アバランチ)、Binance Smart Chain(バイナンススマートチェーン)、Fantom(ファントム)などの上で開発されるゲームも最近増えてきた。今後はGameFiに特化したImmutable X(イミュータブルエックス)、Ronin(ローニン)、Flow(フロー)、そして日本発のOASYS(オアシス)などの成長が期待できる。