ジムなどでは人件費の削減、業務効率化に寄与できると思いますが、まだここは機能が足りていない。CRM機能をつけて基幹システムのようにしていければ、長く使ってもらえるサービスになると思うので、今後はtoB向けの機能開発もどんどんやっていきます。

不動産デベロッパーとの連携に関しては、MIRROR FIT.の費用を建築費に入れてしまい、不動産デベロッパーが本体費用を負担するようなスキームを構築できればと思っています。毎月のサービス利用料は管理費として、支払ってもらう。このような形で顧客に負担をなるべくかけずにMIRROR FIT.を導入できる選択肢をつくっていければと思っています。

──今後の展望についても教えてください。

顧客は運動はしたいけど、自分で運動のメニューは考えたくない。だからこそ、MIRROR FIT.は「今日はこれをやりましょう」という提案まですることが求められていると思っています。鏡の前に立つと、身体のコンディションが表示されて「今日は腹筋」という感じでメニューが表示される。パーソナルトレーニングは何も考えず、コーチに任せるところが良くて、みんな高いお金を払っているわけです。それをローコストで擬似的に体験できるようにしていければと思います。

また、鏡と人の接点を増やすために、どういうUI/UXがいいのか。これをひたすら考え、最適な形に改善していければと思っています。

MIRROR FIT.の生産体制は月間2000台をつくれるようになりました。これからは、ニーズがあることを示しつつ、LTVを伸ばすための検証と改善を繰り返していくフェーズです。そこで一定の目処が見えてきたら、デバイスの価格を下げて、導入後のサービスで回収するようなモデルも検討しています。

例えば、広告が表示される3万円のモデルを販売するといったイメージです。仮に10万軒の家に32インチで表示される広告媒体があれば、絶対に広告を掲載したい企業はいるはずです。そういった戦略も考えているので、まずはMIRROR FIT.の価値を世に認めてもらい、サービス自体も進化させていければと思っています。