運営元のミラーフィットは体型管理機能やパーソナルトレーニング機能などの開発を目的に、千葉道場ファンドを含めた投資家から資金調達を実施したことを4月18日に発表した。今回の資金調達により、創業からの累計調達額は3.2億円となった。

今後は機能開発に加えて、グループフィットネスワークアウトや有名トレーナーとの連携による魅力的な動画コンテンツも拡充させていく予定だという。

資金調達も実施し、事業成長に向けてさらにアクセルを踏んでいく黄氏。もともとパーソナルジムを展開していた彼は、MIRROR FIT.の提供を通じて何を目指すのか。国内でも「Fitness Mirror(フィットネスミラー)」や「embuddy(エンバディ)」といった競合プレーヤーが登場し、盛り上がりを見せるミラー型フィットネスデバイス市場における、ミラーフィットの戦略について、彼の考えを聞いた。

自宅をジムに変えることで、「運動しない」理由をなくす

──黄さんはパーソナルトレーニングと高級セルフエステを月額3万2780円(税込)で“受け放題”にするジム「Karada BESTA」を展開しています。なぜ、ミラー型のフィットネスデバイスを展開することにしたのでしょうか。

Karada BESTAに関しては、当初ライザップとほぼ同じクオリティのサービスを半額の20万円で提供するモデルでスタートしました。当時、2店舗で合計2000万円の売上はあったのですが、体験してみてからの入会率が50%という状態だったんです。多くの人が“お金”を理由に通えなかった。

であれば、月額制の通い放題にしてしまえばいいのではないか。そう思い、30分のパーソナルトレーニングと、30分のセルフエステもしくは有酸素運動を組み合わせることでジムの稼働率を上げ、月額3万2780円で通い放題のモデルを構築しました。

有難いことにKarada BESTAは好調です。会員数も順調に伸びており、ジムの数も15店舗まで増えています。このビジネス自体はニーズがあるという実感はあります。ただ、それでも「痩せるのはわかったけど続けられない気がする」「忙しくなったので辞めます」という意見が一定数ありました。そこに追い討ちをかけるようにコロナ禍がやってきました。

ジムにも行けないので、「運動をしない言い訳」がたくさんできる状態になってしまったんです。従来のジムでは行くのが面倒ですし、荷物が邪魔になったり、予約がとれなかったり、実際に運動するまでのハードルが高すぎる。1回ならまだしも、これをずっと続けていくのは不可能だな、と。また、大手がパーソナルジムの認知を高めた功罪でもあるのですが、「運動は3カ月〜半年頑張ってやめるもの」というイメージを持つ人も増えてしまいました。