「最終的にはお客さんが呼吸感覚で使えるようなソフトウェアを目指しながら、まずはお客さんの一歩先、半歩先を照らせるようなプロダクトの開発に取り組んでいきます。法人カードも、支払い.comもその1つという位置付けです。ゆくゆくは1つの決済プラットフォームとして統合され、お客さんの視点ではそこで全ての支払いが完結するような世界観を実現していきます」(宮城氏)

宮城氏
 

宮城氏や水野氏が例に挙げるのがBtoBにおけるNubankやAnt Financialのような存在だ。BtoCの領域では「チャレンジャーバンク」と呼ばれるフィンテック企業の台頭によって、さまざまな個人がスマホから便利な金融サービスにアクセスできるようになってきている。

BtoBの決済領域についても、テクノロジーの活用によって利便性を高められる余地は大きい。以前UPSIDERの投資家であるWILでパートナーを務める久保田雅也氏が「UPSIDERは法人版のチャレンジャーバンクのような存在になりうる」という話をしていたが、同社が目指すのは「ビジネス向けの金融サービスを民主化する窓口」(宮城氏)だ。

自社だけで全ての機能を開発するのではなく、クレディセゾンのようにパートナー企業と連携しながら、“支払う”だけでなく”貯める”、“節約する”、“守る”といった領域にもサービスを拡張していきたいという。

また今回のシリーズCラウンドではFacebookの初期投資家であるDST Global Partnersを始め複数の海外投資家が加わった。これは今後のグローバル展開を見据えたもので、国外でのサービス展開に向けた準備も進めていく計画だ。