つまり、HRBPはHRに関する領域について全般的に把握しておくことが求められます。事業責任者やマネージャーから人事関連の相談を最初に受けるポジションですから、そのタイミングで「これは労務の対応です」「これは研修を組みましょう」「これはアサインメントを見直しましょう」と提案・判断することが求められます。

従業員からネクストキャリアの相談を受けたときの対応も同様です。ときには「新しい環境で頑張ってください」と背中を押すことも求められますが、HRBPとしては「別の事業部にチャンスがあるので、そちらでマネジメントをやってみませんか?」等と提案できることが重要です。各事業部のHRBPと連携をとり、それぞれの組織課題や伸びしろを把握しておく必要があります。

HRBPに求められる「事業への理解」という素養

では、誰をHRBPにアサインするのか。経験者であれば望ましいですが、まだまだ概念として新しいことを考慮すると一般的な考え方は、リクルーターからのキャリアパスを用意することになります。社内には自身がリクルーターとして採用したメンバーがいるわけですから、彼らの得意分野や志向性についても理解しています。

事業の変化に伴い経営陣から「このポジションを採用したい」と言われた際に「採用するのもいいけど、社内のあの人が適任ですよ」というコミュニケーションもとれる。彼ら彼女らのキャリアに責任を持つという意味でも、リクルーターがHRBPに挑戦することは理にかなっていると言えます。

リクルーター以外にもHRBPを任せられる人材は考えられます。