約45兆円規模を誇る巨大産業の不動産業界。仲介だけでも約14兆円と言われる大きな市場で、売買や賃貸を仲介する宅建業者は全国で約12万社存在する。これはコンビニの2倍以上の数だ。
一方で5人以下の小規模な事業がそのほとんどを占めていることもあり、IT投資が遅れていて効率化の余地が大きい業界でもある。
この領域にテクノロジーを持ち込むことで“次世代の不動産エージェントファーム”のかたちを確立しようとしているのが、不動産テック企業のTERASSだ。
同社は大雑把に言えば「不動産仲介のDX」に取り組むスタートアップだが、既存の不動産仲介会社にソフトウェアなどを提供しているわけではない。TERASS自身がテクノロジーを活用した不動産仲介組織として事業を展開している。
特徴は所属する個人エージェントの業務を巻き取り、独自の業務管理ツールによって自動化や効率化をしていること。TERASSが負担の大きい事務作業を支援することで、エージェントは顧客とのコミュニケーションや売買のサポートに注力できる。業界では「常勤・常駐」が一般的だったが、TERASSの場合はリモートワークが基本で働き方の柔軟性も大きい。