「ファッション業界における新しい事業者の上場自体も、2007年にZOZOさんが上場されて以降は10数年見当たらないような状態です。コロナ禍で業界全体が大きな影響を受けていますが、私自身はファッションは人生に彩りを与えるものであり、必ずまた上向きになっていくと信じています。(エアークロゼットの上場が)1つのグッドニュースになれば良いという思いもありました」(天沼氏)

既存事業の拡大に加え、男性向けサービスや倉庫管理システムの外販も検討

今後に関しては、引き続き主力事業の女性向けサービスに力を入れていく。「認知度調査をしても自分たちのサービスはまだ一桁パーセントの認知度で、90%以上の人には知られていない。もっと多くの方に知っていただくことで、もっと成長させていける余地がある」(天沼氏)という。

事業の成長角度を上げるという観点では、男性向けやシニア・キッズ向けなど、これまで培ってきたノウハウを横展開していく予定。エアークローゼットが独自開発した倉庫管理システムを、インフラとして他社へ提供していく構想もある。

今後の展望
今後の展望。エアークローゼットの事業計画及び成長可能性に関する事項より

「そこが一番我々も苦労してきたところですし、逆の言い方をすればこの事業における大きな参入障壁になっているとも思います。ただ、参入障壁を作っていくだけでは文化は作れないとも思っているんです。(文化を作る上では)多くの企業が同じようにサービスを展開していくことも必要な要素なので、それをしやすくするための土台を整えていきたい。我々が培ってきた仕組みを提供することが近道になるのであれば、それは嬉しいことですし、業界全体の拡張性や成長性を作っていけることにもつながると考えています」(天沼氏)

モノのサブスクやシェアリングの市場に黎明期に参入し、事業を作り上げてきたエアークローゼット。今後この領域で大きな挑戦をしたいと考えるスタートアップが増えるように、同社自身もここから新たなチャレンジに向かっていくという。