「現時点ではスタートアップが日本の産業全体に占める割合はそこまで大きくないかもしれませんが、成長しているこの産業に対してエクイティ以外の資金の流れを作っていく金融機関が存在しないと、産業の成長や新陳代謝が進まない可能性があります。チャレンジャーバンクとしてスタートアップ産業にしっかりと資金を提供していくことで、経済の新陳代謝を促すとともに、自分たち自身も一緒に成長していけるような事業に挑戦したいと思いました」(安部氏)

創業からしばらくは貸金業や前払式支払手段といったライセンスを取得するのに苦労したが、並行してサービスの基盤の開発を進めた。2021年の春にRBFのサービスを立ち上げ、この1年半ほどはサービスを拡充しながら「どのような商品がどういったスタートアップにニーズがあるのか、与信モデルを作る上でどのようなデータが必要になるのか」といったことを小さい範囲で検証してきた。

今後は規模を広げ、より多くのスタートアップに対してサービスを供給していく計画だ。そのための資金として以下の投資家からシリーズAラウンドで総額約10億円を調達した。

  • Angel Bridge
  • SBIインベストメント
  • SuMi TRUSTイノベーションファンド
  • 三井住友銀行
  • SMBCベンチャーキャピタル
  • 新生企業投資
  • Sony Inovation Fund
  • キャナルベンチャーズ
  • DEEPCORE

安部氏によると「今後1年で累計50億円の融資の実行を目指していく」方針だ。今回調達した資金で事業の核となる与信モデルやデータ分析基盤の開発へさらに力を入れるほか、組織体制の強化を進めていくという。