落ちても、まったく気にすることはない
本田 さっきの安藤さんの話じゃないけど、ご縁があったんでしょうね。面白そうだし、働いている人たちも楽しそうに仕事をしているし、ここはいいなと思っていたら、向こうもそう思ってくれたみたいでトントン拍子に決まったんです。
3年間、営業の仕事をやったんですけど、本当に得た経験は大きかった。あの会社に入ってよかったと思いました。自分の仕事の進め方のベースみたいなものもできたし、すばらしい上司にも巡り会えた。
今、21年たってみて振り返ってみると、あの当時、落ちまくったのが良かったんです。落ちて本当に良かった、と思う。ご縁がなかった、という言葉がありますが、本当に縁がないだけです。別に個人の人間性を否定しているとか、そういうわけじゃなくて、やっぱり向いている、向いてないってあるわけで。
僕はもしそのまま変に大企業とかに受かって、間違って銀行とかに入っていたら、今の自分はないな、と思うんですね。まったく違う人生だっただろうな、と。だから、本当によかったと思うんです、落としてくれて。やっぱり人事って、人を見る目があるんです。合わない人間は採らないんですね、単純に。
これから就職活動をするときには、落ちてしまったりすることも多いと思います。でも、全然気にする必要ないと思うんです。その代わり、やっぱりたくさんの企業を見るべきです。10社くらい受けて悩んでいる、なんてことでは、ダメでしょう。自分に合う企業に出会うには、そんな数を受けただけでは、とても足りない。世の中には、本当に企業はたくさんあるわけですし。
今、ちょうど僕は新しい働き方の本を書くために、シリコンバレーやラスベガス、ニューヨーク、ロサンゼルスの企業を10数社取材しました。日本でまた10数社取材していますが、面白い会社がいっぱいあるんです。新しい、面白い働き方ができる。それはイコール楽な働き方じゃないし、働きやすいという話じゃなくて、やっていてみんな、楽しかったり、やりがいを感じたり、成長を実感できていたり、チャレンジができたり、いろんなポジティブな要素を堪能している。そういう会社が、いっぱいあるんです。
今日も取材があって、行ってきた会社は、企業のアプリケーションソフトをつくっているベンチャーの企業です。そこの社長がトライアスロン仲間でもあるので、ちょっと話を聞いてきたんですが、大学生のインターンシップを1000人くらい採ってるんです。とにかく超優秀な学生だけを採っている、と。それで、2週間インターンシップをやらせてもらえる。これが、内容を聞いただけでも、お金を払ってでもやった方がいいんじゃないと思えるくらいの内容なんです。ただし、ものすごく優秀な人間しか採ってくれないんだけど。チャレンジする甲斐はあるかなと思うんですね。
こんな面白いシステムでインターンをやった中で、また優秀な学生はさらに2週間、今度は上海か、シンガポールに行かせて、海外で採用している優秀な学生と一緒にインターンさせるそうです。これがまたいい経験になる。お金をもらえて、こんなことができてしまうんですから、こんないい話はないだろうと思いますね。
別にこの会社に入りたい人が来なくてもいいんだそうです。僕は商社に行きたい、とか、僕は代理店に行きたい、でもインターンシップは受けられる。彼らに聞くと、優秀な人間を知っておくことが大事で、そのまま新卒で入らなくてもよくて、3年か、5年くらいのパスをもらえるんです。優秀な人は急に入りたくなかったら、他の会社に行った後でもいいよ、と。こんな会社もあるんです。
いろんな面白いことをやっている会社があるし、チャレンジもある。やっぱり徹底的にいろんな会社を見てみたほうがいいと思います。
(次回は4月3日更新予定です。)
◆「対談 媚びない人生」バックナンバー
第1回 媚びない人生とは、本当の幸福とは何か 『媚びない人生』刊行記念特別対談 【本田直之×ジョン・キム】(前編)
第2回 大人たちが目指してきた幸福の形では、もう幸福になれないと若者たちは気づいている【本田直之×ジョン・キム】(後編)
第3回 日本人には自分への信頼が足りない。もっと自分を信じていい。【出井伸之×ジョン・キム】(前編)
第4回 世界を知って、日本をみれば「こんなにチャンスに満ちあふれた国はない」と気づくはずだ。【出井伸之×ジョン・キム】(後編)
第5回 苦難とは、神様からの贈り物だ、と思えるかどうか【(『超訳 ニーチェの言葉』)白取春彦×ジョン・キム】(前編)
第6回 打算や思惑のない言葉こそ、伝わる【(『超訳ニーチェの言葉』)白取春彦×ジョン・キム】(後編)
第7回 いつが幸せの頂点か。それは死ぬまで見えない【(『続・悩む力』)姜尚中×ジョン・キム】(前編)
第8回 国籍という枠組みの、外で生きていきたい【(『続・悩む力』)姜尚中×ジョン・キム】(後編)
第9回 「挑戦しない脳」の典型例は、偏差値入試。優秀さとは何か、を日本人は勘違いしている【茂木健一郎×ジョン・キム】(前編)
第10回 早急に白黒つけたがる人は幼稚であると気づけ【茂木健一郎×ジョン・キム】(後編)
第11回 やりたいことがたまたま会社だった。だから、自然体で起業ができた。【リブセンス村上太一×ジョン・キム】(前編)
第12回 不安は、将来に対する可能性の表れである。【リブセンス村上太一×ジョン・キム】(後編)
第13回 一番怖いのは、頭が固まってしまうこと【安藤美冬×本田直之×ジョン・キム】(前編)
【ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ】
四六判・並製・256頁 ISBN978-4-478-01769-2
◆ジョン・キム『媚びない人生』
「自分に誇りを持ち、自分を信じ、自分らしく、媚びない人生を生きていって欲しい。そのために必要なのは、まず何よりも内面的な強さなのだ」
将来に対する漠然とした不安を感じる者たちに対して、今この瞬間から内面的な革命を起こし、人生を支える真の自由を手に入れるための考え方や行動指針を提示したのが本書『媚びない人生』です。韓国から日本へ国費留学し、アジア、アメリカ、ヨーロッパ等、3大陸5ヵ国を渡り歩き、使う言葉も専門性も変えていった著者。その経験からくる独自の哲学や生き方論が心を揺さぶられます。
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◆本田直之『LESS IS MORE 自由に生きるために、幸せについて考えてみた。』
北欧諸国があらゆる「幸福度ランキング」で上位を占めているのはなぜか。世界的に見ても豊かなはずの日本が、どうして81位なのか――。
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◆安藤美冬『冒険に出よう〜未熟でも未完成でも“今の自分”で突き進む。』自分の人生こんなものだ、と思っている人へ。肩書きはフリーランス。30歳にして会社の看板を捨て、自分の名前を掲げて働く安藤美冬の「冒険の書」。情熱と戦略を持って突き進んだ席には、たくさんの応援の輪があった。「情熱大陸」「ニッポンのジレンマ」「NHKスペシャル」他各メディアで話題の著者の処女作(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)。
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