「一部ではSaaSはもうダメなのではないかという方もいらっしゃるかもしれませんが、(SaaSのビジネスモデル自体がゆらいだわけではないため)こういう時だからこそ、本質的に素晴らしいことをやり続けているBtoB SaaSの起業家の方をさらに応援していきます。我々自身は以前からこの領域に投資をしていますし、(コロナ前の)本来のかたちに戻っていく移行期だと捉えているので、SaaSをやめて他の領域に注力するといったことも考えていません」(倉林氏)

大手企業を中心としたDXの推進などのトレンドも踏まえると、引き続きSaaS領域には大きなビジネスチャンスがあるといえそうだ。倉林氏は注目領域の1つに「セールスエンゲージメント」や「セールスイネーブルメント」を挙げるが、DNXの投資先に限らず営業人材の働き方や顧客との関係性構築、営業組織の育成をサポートするSaaSは日本でも増えてきている。

またSaaSが広がるほど、SaaS事業者のビジネスを支援するサービスやユーザー企業の課題を解決するサービスへの需要も高まる。「SaaSが増えてくることで新たに生まれる課題を解決するSaaS」を指す「SaaS for SaaS」は国内外で関連するスタートアップが増えてきている領域であり、倉林氏も「これから日本で1番盛り上がっていくのではないか」と期待を示す。