街中を走るタクシーが今後は電気自動車(EV)に変わっていく──タクシーアプリ「GO」などを展開するMobility Technologies(MoT)が、GX(グリーントランスフォーメーション)に向けた取り組み「タクシー産業GXプロジェクト」を開始する。
タクシー産業GXプロジェクトでは、MoTと全国約100社のタクシー事業者や各種パートナー企業が連携。2027年までに年間CO2排出量3万トンの削減を目指す。同プロジェクトは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業「スマートモビリティ社会の構築」に採択されており、その助成金を含めて最大280億円規模の取り組みとなる予定だ。
具体的な取り組みは大きく3点。
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AI活用のエネルギーマネジメントシステムの構築
運行効率を損なわない充電計画を生成するAIシステムの開発と検証を2031年までに実施。タクシーの運行に合わせた充電システムを開発する。
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タクシー事業者へのEV車両のリース提供と充電機器の提供
プロジェクトに参画する事業者に対して、トヨタ自動車「bZ4X」、日産自動車「リーフ」「アリア」などを2031年まで最大2500台リース。また急速充電器400台と普通充電器2500台を各営業所に提供、設置する。
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CO2削減量の見える化
法人向けサービス「GO BUSINESS」の管理画面でEVタクシー車両利用時のCO2排出量を表示、可視化する。将来的にはタクシーアプリ「GO」のユーザー向けアプリ画面でも表示を行う予定。
充電システムでは東京電力ホールディングスが協力。またEVまわりの補償ではあいおいニッセイ同和損保が新たな保険メニューを用意するなど、パートナー企業と連携してプロジェクトを進める予定だ。
12月12日に開催された会見でMoT代表取締役社長の中島宏氏は、日本のタクシー産業の課題として、燃料費の高騰とEV車両普及率の低さを説明。本プロジェクトでそれらの課題解決を図ると語った。