今回の主な投資家および融資元は以下の通りだ。河瀬氏によると2018年5月に10億円の調達を発表してから複数回の資金調達を実施していて、35億円はその総額になるとのこと。創業からの累計調達額は約50億円になるという。
・農林中央金庫
・NTTドコモベンチャーズ
・三井不動産(31Ventures 運営者:グローバルブレイン )
・LINE Ventures
・凸版印刷
・BSP GROUP
・Scrum Ventures
・常陽産業研究所
・グロービス・キャピタル・パートナーズ(既存投資家)
・新生銀行(融資)
・日本政策金融公庫(融資)
・みずほ銀行(融資)
・常陽銀行(融資)
4500社が導入したキーレス入退室管理システム
フォトシンスは2014年9月に河瀬氏らが創業したスタートアップ。全ての扉をクラウドに繋げ、物理的な鍵をなくすことを目指してこれまで10個のプロダクトを作ってきた。
最初に手がけたのは個人向けのスマートロックだったが、実際に提供してみると法人からの需要が多かったため、2016年に法人向けの「Akerun Pro」を発表。これが1つのターニングポイントにもなり、フォトシンスは徐々にスマートロックを軸としたSaaS型の「入退室管理ソリューション」を提供する会社として事業を拡大していく。
Akerun Proはオフィスのドア錠のつまみ(サムターン)に粘着テープを使ってデバイスを貼り付けるだけで設置できるのが特徴。NFCリーダーをつければスマホに加えてSuicaやPASMOといった交通系ICカードから簡単に開錠・施錠ができるようになる。
これに入退室管理の仕組みを紐づけたのがAkerun入退室管理システムだ。同サービスではウェブ上の管理画面「Akerun Manager」やアプリから、ユーザーの入退室履歴の確認、ユーザーへの鍵権限の付与・削除などができる。
「だれが、どこに出入りしたか」といったデータがクラウド上に全て保存されていくため、入退室管理の記録だけでなく勤怠情報の管理にも役立つのがポイントだ。個人情報を取り扱う事業所の入退室管理の義務化や、働き方改革における労働時間の適正把握の義務化などが追い風にもなり、さまざまな企業へ導入が進んでいる。
近年は大手企業からの引き合いが増えていることを受け、2019年5月に既存の電気錠・電磁錠や自動ドアに対応した「Akerunコントローラー」をローンチ。Akerun Proでは対応できなかった企業に対しても入退室管理システムを提供できる基盤を作った。